プログラム

特別講演(International lecture)

Parry Gilford
(The University of Otago, New Zealand)

Parry Gilford先生は、びまん性家族性胃癌(HDGC)の原因がCDH1変異であることを発見(Nature, 1998)されました。その後、生物学的な解析を進めると同時に、臨床的マネージメントについても様々な専門家と協力し、ニュージーランドでのHDGCによる死亡ゼロを達成しました。

Patrick Tan
(Genome Institute of Singapore, Singapore)

Patrick Tan先生は、胃がんにおけるFAT4変異の発見(Nat Genet, 2012)を皮切りに、肝吸虫胆管がんの変異の特徴の解明、腸上皮化生胃粘膜での変異やDNAメチル化異常の解明、胃がんにおけるエンハンサー異常の同定など、多くのゲノム・エピゲノム解析を進めておられます。

Alfred Sze-Lok Cheng
(The Chinese University of Hong Kong, Hong Kong)

Alfred Sze-Lok Cheng先生は、肝がんにおけるゲノム・エピゲノム解析を進めてこられました。最近は、肝がん微小環境に存在する免疫細胞などを解析、HDAC8阻害がT細胞をリクルートしICI効果を高めること(Sci Transl Med, 2021)、PPARγ阻害がMDSCの増加を抑制すること(Gut, 2024)などを解明しておられます。

シンポジウム

シンポジウム1
“前”前がん病変 病理形態学と分子生物学の融合からみる前がん性病変の理解

【企画趣旨】
慢性炎症などの発がん要因への曝露は、正常細胞にゲノム・エピゲノム異常の蓄積を誘発し、「“前”前がん状態」を作る。 “前”前がん病変の深い理解により、新たな発がんリスク予測法や予防戦略の構築がより現実的になると期待される。病理形態学と分子生物学の両面から “前”前がん病変について議論する。

シンポジウム2
Microbiome 相関から因果・応用の時代へ

【企画趣旨】
腸内細菌叢を始めとするmicrobiomeは、相関解析の時代から、経時的・局所的解析や動物モデルの活用により、因果関係証明と予防・治療への応用の時代になりつつある。消化器がん発生と関わりの深いmicrobiomeについて、次代を切り拓く議論をする。

シンポジウム3
がん局所環境の治療戦略へのインパクト

【企画趣旨】
がん組織は、がん細胞のほか、線維芽細胞や免疫細胞など周囲環境(Tumor Microenvironment; TME)からなる。近年のシングルセル解析技術の進歩により、不均一で複雑な病態が解明され、治療標的として期待されている。本セッションでは、がん局所環境の治療戦略へのインパクトについて議論する。

シンポジウム4
ゲノム医療を占う

【企画趣旨】
近年のパネル検査により臨床レベルでもがんにおける突然変異の詳細が明らかになり、WGS(Whole Genome Sequencing)によりさらに詳細が解析されている。しかし、WGSは日本の消化器癌の医療を変えることができるのか? パネル検査でわかったこと、その有用性を高める研究、WGSの次など、について議論する。

シンポジウム5
Liquid Biopsyの近未来

【企画趣旨】
血中遊離DNAへの次世代シークエンスの導入により、がんの分子異常が低侵襲な検査で正確にわかるようになった。経時的なサンプリングが可能になったことにより、がん医療にどのようなインパクトがあるのか? 原発不明がん、早期がんなどへの応用はどこまできたのか? Liquid biopsyの最先端について議論する。

シンポジウム6
AI画像診断 「ある」から「どんな」への深化

【企画趣旨】
人工知能(Artificial Intelligence; AI)は、内視鏡での「病変がある」の存在診断では臨床医を上回るところまできた。しかし、深達度や分化度の推定などの病態診断はどこまできたのだろうか? 従来見えなかった分子異常が見える日はくるのだろうか?「どんな」にも入って来たAI画像診断の深化について議論する。

 一般演題(口演・ポスター)

消化器癌に関わる幅広い演題を募集します