第48回日本臨床栄養学会総会 会長

藤岡 由夫
(神戸学院大学栄養学部 臨床栄養学部門教授)

このたび、第48回日本臨床栄養学会総会会長を拝命し、第24回大連合大会として千里リハビリテーション病院栄養部部長(武庫川女子大学名誉教授)の鞍田三貴先生(第47回日本臨床栄養協会総会会長)とともに、2026年9月26日(土)、27日(日)の両日に、神戸国際会議場にて開催させていただきます。歴史と伝統のある本学会総会会長の名誉を賜りましたこと、機会を与えていただきました関係各位の皆様方に心から感謝申し上げます。

今回のテーマは「エビデンスと経験をふまえた未来につなげる臨床栄養 〜健康と幸せを感じる社会の構築〜」とさせていただきました。食事は個々の健康を保ち、幸せと楽しみを感じる最も大切なものです。日本は伝統的な食習慣を持ちます。ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食:日本人の伝統的な食文化」は「自然の尊重」という日本人の精神を体現した食に関する「社会的慣習」です。なかでも新鮮な食材と資材の味わいを活用しているところはいいところですが、食塩摂取過剰や脂質・炭水化物のアンバランスも指摘されてきました。小児から高齢者まで、脂質異常症、高血圧症、肥糖病、肥満症などの生活習慣病から遺伝的先天的な疾患の予防・治療の面から考えた場合、やはりこれらの点を改善した適切な食事内容が基本となります。すなわち、これまでの伝統は保ちつつも改善するところも認識することが求められています。日本臨床栄養学会は、基礎と臨床栄養に興味を抱く医師、管理栄養士、栄養士、薬剤師、保健師、看護師、研究者など多くの参加者で成り立ち、最新の栄養に関わる研究を推し進め、これまでのエビデンスと経験をふまえて社会に貢献してきました。この大会は、以上をさらに推し進めて、国民の健康維持・健康寿命の延伸や疾病の予防・治療に貢献することが目的です。

神戸は、近代の歴史では早くから海外と通じてジャズやサッカー、ゴルフ、西洋靴、テーラーメイドの洋服などの西洋文化が上陸した国際貿易港として知られています。同様にバームクーヘンなどの洋菓子も神戸にまず上陸して日本の各地に広がった歴史を持ちます。全国より多職種の方々にこのような伝統ある神戸にぜひお集まりいただき、最新の臨床症例や研究の発表・討議等の成果を神戸から発信して、将来の臨床栄養学に活かしていただきたいと思います。神戸ビーフやワインなども堪能していただきながら、臨床栄養学の未来について語り合う場として第24回大連合大会がお役に立てますよう努めてまいりますので、多数の皆様のご参加をお待ちしております。ご高配のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

第47回日本臨床栄養協会総会 会長

鞍田 三貴
(千里リハビリテーション病院栄養部‣部長/武庫川女子大学名誉教授)

このたび、第47回日本臨床栄養協会総会会長を拝命し、神戸学院大学栄養学部臨床栄養学部門教授の藤岡由夫先生(第48回日本臨床栄養学会総会会長)とともに、神戸において第24回大連合大会開催の運びとなりました。身に余る光栄であると同時に、その責務の重さを深く自覚し、ここに慎んで御礼申し上げます。

統一テーマは「エビデンスと経験を踏まえた未来につなげる臨床栄養」です。「科学的エビデンス」と「臨床現場で培われた経験知」という二つの柱を、互いに活かし合いながら未来へ継承していきたいという思いを込めました。医療の高度化、生活習慣病の多様化、AI技術やデジタル医療の進展など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しています。こうした時代において、臨床栄養はますます重要性を増しており、本テーマはまさに時宜を得たものと確信しております。また、「未来につなげる」という本テーマの理念を実践する取り組みとして、実行委員会には若手人材を積極的に登用し、新旧の知が響き合う組織体制を考えております。若手の柔軟な発想と、諸先輩の深い洞察が結びつくことで、これまでにない活力に満ちた学会を創り上げることを目指しております。

開催地である神戸は、国際港湾都市として独自の洗練を育んできました。世界に誇る神戸ビーフに象徴される食文化、日本のジャズ発祥の地として刻まれたリズムの伝統──これらは、文化の融合と創造が新たな価値を生み出すことを物語っています。臨床栄養学もまた、多様な専門性が結びつき、新たな知を創出する学問領域であると思うと、神戸は誠にふさわしい舞台といえましょう。

学術集会は、研究成果を発信する場であると同時に、他職種との交流を通じて新たな潮流を生み出す場でもあります。本学会が臨床栄養学の未来を切り拓く「追い風」となり得ることを願ってやみません。 

最後に、本学術集会が多くの会員の皆様にとって実り多き時間となり、臨床現場を支える確かな知の深化に寄与することを祈念しつつ、開催に向け鋭意準備を進めてまいります。ご支援、ご協力のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。